熱中症にご注意ください

    こんにちは、大野医院副院長の大野和幸です。今年は例年と比べて本格的な暑さの到来が早く、当院にも暑さが原因で体調を崩された患者様が連日多く来院されています。熱中症は外でお仕事をされている方はもちろんのこと、家でじっとしていても気がつかないうちに熱中症になっていることもあり、重症になると臓器へのダメージや命に関わることもある「身近に潜むこわい病気」です。特に小さなお子様や高齢者の方は、体温調節や暑さを感じる機能が弱まっていたり十分ではないため注意が必要です。

    先日SBC信越放送様に熱中症の予防と対策について取材していただきましたので、その際お話ししたことを中心にまとめました。

    そもそも熱中症とは?

    熱中症とは、体温が上がり体温の調節機能が働かくなったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりして、体温の上昇やめまいけいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことです。

    を含む重要な臓器は、37度以下で一番よく働き、体温が高くなると機能しにくくなります。また、汗をかいて体から水分が減ると、筋肉や脳や肝臓・腎臓などに血液が行き渡らないため、筋肉痛が出現したり、意識を失ったりします。 

    最悪の場合は臓器障害(肝障害、腎障害など)が起こり、死に至ることもあります。

    小児の場合の注意点

    小児は一般的に体温調節がうまくいかず、汗をかく機能が未熟で、大人と比べて暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまうため、体に熱がこもりやすく体温が上昇しやすいという特徴があります。暑さに対する耐性も低く、大人と比べ熱中症のリスクは高いと言えます。

    小児にとっては新型コロナウイルス感染よりも、熱中症のリスクの方が高く場面に応じてマスクを外すことにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

    ※屋外では会話をほとんどしないのであれば、周囲と2メートル以上離れていなくてもマスクは不要とされています。

    高齢者の注意点

    高齢になると暑さを感じる感覚が鈍くなるため、「暑くない」と思っていってもじんわり汗をかいていることもあります(時々、気温に明らかに合わない服装をしている患者さんも見受けられます)

    また、内臓の機能が低下していると体温の調節がうまくできず、熱中症に陥りやすいため注意が必要です。高齢者の患者様には、「昔とは違い、今は気温が高くなっているのだ」ということを理解して頂くよう指導しています。年をとって暑さを感じにくくなっていることもお話しています。

    今年は電力不足が大きな話題になっていますが、クーラーについては決して惜しまないで頂くようお願いしています。特に今の時期(7〜8月)は日中よりも夜間の熱中症死亡者が多いと言われています。夜間の熱中症予防のために、室内温度を28度に設定して、直接体に風が当たらないように風向きを調整しておやすみ頂くことをお勧めします。

    特に農業を営まれている高齢者の方へ

    なるべく気温の低い時間に作業をして頂くのが良いのですが、やはりそうもいかないことも多いと思います。熱中症を防ぐためには、やはりこまめな水分摂取喉が乾いていなくても意識して水分をとることが重要です。また、冷たいおしぼりやタオルなどを携帯して、まめに体の表面の温度を下げて頂くことも効果があります。ホースの水などを腕や顔にかけて冷やすのも効果的です。

    また、一人で熱中症になってしまうとそのまま命の危機にさらされてしまう可能性も高くなってしまいますので、必ず複数の人数で行動して頂くことが重要となります。

    治療・対処の目安

    軽症(Ⅰ度熱中症)の治療

    症状:めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)

    水分と塩分をしっかりと摂って、涼しい部屋で安静にして頂くことが重要です。めまいがするようなら横になって、座布団などで足を高くして休んで頂くのも効果的です。

    中等症(Ⅱ度熱中症)の治療

    症状:頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下

    病院を受診し、適切な検査(血液検査等)、治療(体温管理、輸液など)が必要です。発熱、頭痛、嘔吐などの症状があるようなら医療機関に連絡してください。

    重症(Ⅲ度熱中症)の場合

    症状:意識障害、痙攣発作、肝・腎機能障害

    入院加療を検討すべき状態です。速やかに救急車を呼んでください。

    熱中症の症状と分類(『日本救急医学会熱中症分類2015』より)

    熱中症はこの時期特に気をつけていただきたい身近な病気です。場合によっては命に関わることもありますので油断せず、熱中症が疑われる時には迷わず医療機関を受診してください。また身近にお子様や高齢の方がいらっしゃる場合は、成人よりも暑さへの耐性が低いことを意識してこまめな水分摂取や適切なクーラーの使用などを心がけるようにしてください。

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